2018年11月1日から準天頂衛星「みちびき」が4機体制で運用が開始されました。
これによりGPSの誤差が数十メートルから数センチまで短縮され位置情報の精度が向上します。
準天頂衛星「みちびき」日本版GPSとは
準天頂衛星「みちびき」は日本版GPSとも呼ばれています。
GPSは超高精度な時計を搭載した4機以上のGPS衛星から電波を受信して自分(受信機)の位置を測位計算によって求めるシステムです。
電波は1秒間に約30万キロも進むため、1000万分の1秒時刻がずれると30mの測距誤差となってしまいます。
4機からの電波を受信できれば位置は測位できますが、さらに高精度に測位するには8機以上が必要になります。
しかし日本は高層ビルなどが多く利用できるGPS衛星が限られるため、受信できるGPS衛星の数が3機以下となり、測位が不可能となる場合がりました。
大量のGPS衛星を打ち上げることで受信可能なGPS衛星を増やすことはできますが高額な費用が必要になります。
日本の準天頂衛星システムでは、準天頂衛星を3機以上用意して、日本の真上を通る軌道から測位信号を送信することで、地上から準天頂衛星を常に1機は受信可能にし、準天頂衛星からの信号とGPS衛星からの信号と組み合わせることで、測位精度の向上と補足までの時間の短縮が可能になります。
8の字を描いて軌道している準天頂衛星4機が日本の真上から電波を出すことで日本版GPSが完成します。
準天頂衛星「みちびき」の種類
準天頂衛星「みちびき」は現在4機が打ち上げられ稼働しています。2024年までに7機が打ち上げられ最終的に7機体制で運用される予定です。
衛星名 | 軌道 | PRN |
みちびき初号機 (QZS-1) | QZO | 193 |
みちびき2号機 (QZS-2) | QZO | 184 194 196 |
みちびき3号機 (QZS-3) | GEO | 187 189 197 199 |
みちびき4号機 (QZS-4) | QZO | 185 195 200 |
みちびき対応の製品
みちびきに対応した製品でスマホは以下の製品が対応しています。
メーカー | 製品名 |
Apple | iPhone XS iPhone XS Max iPhone XR iPhone X iPhone 8 iPhone 8 Plus iPhone 7 iPhone 7 Plus |
HTC | X2 U11 life U11 |
SAMSUNG | Galaxy Note8 Galaxy S8 Galaxy S8+ |
シャープ | AQUOS sense plus AQUOS R2 AQUOS R compact AQUOS R |
SONY | Xperia XZ2 Premium Xperia XZ2 Xperia XZ Compact |
HUAWEI | P20 Pro P20 Mate 10 Pro |
富士通 | arrows NX F-01K |
みちびき対応製品リストより抜粋
iPhoneの場合はiPhone 7以降は対応しています。
QZSSの記載があればみちびきに対応しています。
みちびきの位置を確認する方法
みちびきの位置を確認するにはGNSS Viewというアプリを使用します。
GNSS View
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GNSS Viewを立ち上げてPosition Radarを選択すると
現在公開されている軌道情報を元に計算した衛星配置を表示されます。
これでは見づらいのでSelect Satelliteを選んで、QZSSだけにチェックを入れるとみちびきだけが表示されます。
これがみちびきがいる場所になります。この時間帯ではほぼ真上に「194」つまりみちびき2号機があることになります。
ホームに戻ってAR Displayを選び上空を向けると衛星が居るであろう場所が擬似的にわかります。
これは空ではなく天井ですが(笑)
QZS193(みちびき初号機)がほぼ真上にあることがわかります。
これからドローンや、自動運転など様々な分野でこのみちびきが活躍してくれることでしょう!