2018年10月29日にインドネシアのジャカルタを拠点とするライオン・エアが運行するJT610便(乗客乗員189名)がジャワ海に墜落した模様です。
追記:2018年11月1日ブラックボックスが海中から引き上げられました。
目次
ライオン・エアの評判
ライオン・エアは過去にも多くの重大インシデントを起こしており、全世界の航空会社では448会社中ワースト10にランキングされたこともあります。
今回はワースト10にランキングされて4年後に発生した事故となります。
過去の事故
- 2004年11月30日 – ソロで583便(MD-82)が暴風雨の中着陸に失敗してオーバーラン、乗員乗客163人中乗員1人乗客24人死亡。
- 2009年2月23日 – リアウ諸島州バタム島で車輪が出ず、胴体着陸したが負傷者なし。
- 2013年8月6日 – 892便(ボーイング737-800、PK-LKH)がゴロンタロの空港に着陸した際、滑走路から外れて、牛をはねた。負傷者はなし。
- 2013年4月13日 – インドネシアのバンドンからデンパサールに向かっていた904便(B737-800(登録番号:PK-LKS/製造番号:38728/ラインナンバー:4350))がデンパサール国際空港の09番滑走路手前の海に転落し大破。乗員7名・乗客101名の計108名のうち40人以上が怪我をした。当該機は同年2月に初飛行し、受領したばかりの新造機であった。
- 2013年9月30日 – 775便(ボーイング737-900ER PK-LFM)がマナドの空港において駐機中、補助動力装置の故障により空調が動作せず機内が高温となり、乗客が非常口を開けてしまうトラブルが起きた。
- 2018年10月29日 – 乗客乗員188人が搭乗していた旅客機JT610便が墜落。←今回の事故
墜落したJT610[PK-LQP]
2013年4月に海に転落し大破した機材も2月に受領したばかりの新造機でしたが、今回も墜落した機体は2018年8月に登録されたばかりの新しい機体でした。
機体記号(レジ) | PK-LQP |
運行会社 | ライオン・エア |
シリーズ | 737 MAX 8 |
型式 | 737-8-MAX |
登録 | 2018年8月 |
初飛行 | 2018年7月30日 |
引き渡し | 2018年8月13日 |
ボーイング737 MAXシリーズは、737 NGシリーズの後継にあたり5つのラインナップが用意されています。
- 737 MAX 7: 737-700、737-700ERの後継機
- 737 MAX 8: 737-800の後継機 ←今回の機体
- 737 MAX 200: 737 MAX 8の200席仕様高効率型
- 737 MAX 9: 737-900ERの後継機
- 737 MAX 10: 737 MAX 9の胴体延長型。A321neoのライバル機となる。
737 MAX 8は162~210席なので、189名の報告から考えると今回はほぼ満席状態だったと思われます。
速度が急上昇、高度が急降下してレーダーから消える
フライトレーダー24のデータによると、上空5,450フィート(1,661m)から15秒で4,900フィート(1,493m)まで高度が低下しています。
レーダーに記録されている最後の10秒間では飛行スピードは急激に上昇して、高度は急降下しています。
これを見る限りそのまま海面に墜落したと考えるのが自然です。
345knotsを時速にすると639km/hになります・・・
ちなみにこの機材は前日28日の夜8時20分にジャカルタに到着していました。
到着時のフライトでは離陸から10分で高度が1万フィートを超えていますが、今回は高度が半分の5,000フィートだったことを考えると離陸直後から機体に何らかの問題があった可能性が考えられますね。
インドネシアの国家防災庁BNPBのツイート
インドネシアの行政機関の国家防災庁(BNPB – Badan Nasional Penanggulangan Bencana)のSutopo Purwo Nugroho氏(@ Sutopo_PN)から、現場の状況がツイートされています。
Serpihan pesawat Lion Air JT 610 yang jatuh di perairan Karawang. Beberapa kapal tug boad membantu menangani evakuasi. Video diambil petugas tug boad yang ada di perairan Karawang. pic.twitter.com/4GhKcRYkpG
— Sutopo Purwo Nugroho (@Sutopo_PN) October 29, 2018
海面には機体から漏れたと思われる油が浮いています。離陸後10分ほどしか経過していないため、墜落までに燃料を放棄する時間もなくかなりの量の燃料を積んていたと考えられます。
Beberapa serpihan pesawat Lion Air JT 610 yang jatuh di perairan Karawang. Pesawat membawa 178 penumpang dewasa, 1 penumpang anak-anak dan 2 bayi dengan 2 Pilot dan 5 FA. Basarnas dan Kementerian Perhubungan terus melakukan penanganan. Beberapa kapal tug boad berada di lokasi. pic.twitter.com/Gb6P4zjCQF
— Sutopo Purwo Nugroho (@Sutopo_PN) October 29, 2018
すでに乗客のものと思われる荷物が引き上げられているようです。
ライオン・エア公式サイトは白黒に
ライオン・エアのコーポレートカラーは赤ですが、すでに公式サイトもTwitterアカウントも白黒の画像に差し替えられ最新の状況を随時提供しています。
ブラックボックスが発見され引き上げられる
Ini detik-detik pengangkatan kotak hitam Lion Air JT-610 ke Kapal Riset Baruna Jaya I oleh Sertu Hendra, anggota tim penyelam TNI AL. Kotak hitam ditemukan di kedalaman sekitar 30 m. #BREAKINGNEWS #EKSLUSIFKOMPASTV pic.twitter.com/l8iaaY2S0K
— KOMPAS TV (@KompasTV) November 1, 2018
ついにJT610便のブラックボックスが海中で発見され引き上げられたそうです。
※状況が分かり次第更新予定