飛行機に乗ると「被ばくする」とはよく言われています。
しかしその数値はどの程度なのか?という疑問が残ります。
そこで今回実際どの程度の放射線を浴びるのかガイガーカウンター(線量計)を機内に持ち込んで羽田ー那覇で放射線量を測定してみました。
羽田ー福岡間のデータはこちら 飛行機に乗るとどれくらい被曝するのか?羽田ー福岡間で放射線量を測定してみた
目次
測定に使用するガイガーカウンター
放射線のうち今回測定するのはγ線です。
γ線を測定するにはガイガーカウンターと呼ばれる線量計が必要です。
今回測定に使用するガイガーカウンターはMKS-05 TERRA Bluetoothです。
ちなみにMKS-05 TERRAシリーズ比較についてはこちら
線量計(放射線測定器)ECOTEST MKS-05 TERRA のシリーズ比較JAL909 羽田ー那覇間でのフライトデータと放射線量
今回測定したJAL909の飛行データ
これが今回測定を行ったフライトです。
羽田空港から那覇空港までは約3時間弱のフライトです。
機体はA350-900になります。
これがフライトレーダーに表示されるフライトレーダーです。
オレンジ色のグラフが速度、青色のグラフが高度です。
表示時刻はUTCなので日本時間(JST)にするには+9時間する必要があります。
羽田空港の地上の放射線量は0.08μSv/h
まず、搭乗して羽田空港の離陸前の放射線量は0.08μSv/hでした。誤差は32%です。
0.05~0.10μSv/hの範囲は通常の放射線量です。
ちなみに羽田空港では楽天の電波が入ります(笑)
この日はD滑走路からの離陸でしたが、離陸するまでは当然数値に変更はありませんでした。
【豆知識】滑走路の名前の付け方しかし離陸してしばらくすると放射線量がみるみる上昇します。
離陸後上空の最高放射線量は1.72μSv/h
最高高度に達した時に放射線量がピークになり11:24に1.72μSv/hの表示が出ました。
誤差は11%です。数値が大きくなったため誤差も少なくなっています。
これは離陸前(0.08μSv/h)の約21倍です。
場所的には三重県の上空付近になります。
高度は約12,192メートルと表示されていました。
飛行機の巡航高度はなぜ地上から1万メートル?それには理由がある水平飛行中は1μSv/h超えを常に表示し続けました。
その後、着陸態勢に入り高度が下がると一気に放射線量も低下して地上と同じレベルに戻りました。
羽田ー那覇間の積算放射線量は0.002mSv
飛行時間2時間56分の間の積算放射線量は0.002mSvとなりました。
まとめ
今回の計測では羽田ー福岡間の積算放射線量は片道で0.002mSvでした。
ちなみに歯のレントゲンは0.01mSvらしいので歯のレントゲンの1/5倍程度ということになります。
これによると、東京ーニューヨーク(往復)で0.1mSvの被ばく量があるようです。
東京ーニューヨークは12~14時間程度飛行時間があるので上空にいる時間も長いので放射線量が高い時間もその分長いことになります。
過去に測定した時、地上での積算放射線量は1日(24時間)で約0.002mSvでした。
つまり1日分(24時間)の放射線量を約3時間で浴びた計算になります。
単純計算で1年で0.002mSv×365日=0.73mSvになります。
この値から計算してみると
0.002/0.73×100≒0.274%
となり、羽田ー那覇(片道)のフライトは
1年で浴びる放射線の0.274%程度ということになります。
これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだとは思いますが、よっぽど長時間&回数を乗らない限りとくに気にする必要はないと言えるかと思います。
また違う路線でフライトする機会があれば計測してみようと思います。
今回のデータも皆様の何かの参考になればと思います。