空港を使用する際にかかる空港使用料の詳細

2019年1月7日から日本国内から海外へ出発する際に新たに国際観光旅客税という名の出国税が日本出国時に一律1,000円徴収されることになりました。

これ以外に空港を利用すると空港使用料を支払う必要があります。

最近ではエアアジア・ジャパンが成田空港の空港使用料を数億円滞納して撤退するニュースがありました。

格安航空会社(LCC)の「インドネシア・エアアジアX」(IDX)が、成田空港の空港使用料を数億円滞納していることが8日、分かった。IDXは14日で成田-バリ線の運航を取りやめ、日本路線から撤退する。定期航空会社の空港使用料滞納は異例だ。
IDXはほぼ1日1往復、成田とバリのデンパサールを結ぶ路線を運航してきた。数カ月前から、月額数千万円の空港使用料の支払いが滞っていたもようだ。(2019/01/08-15:54)

成田使用料滞納=エアアジア系LCC|時事ドットコム

空港使用料について詳しく説明します。

空港使用料とは

空港使用料とはその空港を利用した航空機と旅客に対して、空港の管理会社などが課す料金等のことです。

一般的には航空券の購入時に運賃に上乗せされており、航空会社が管理会社に支払いを行います。

空港使用料にはその空港や国によって独自のものがありますが、一般的には下記のようなものが存在します。

名称概要
着陸料
航空会社負担
着陸のたびに1機1回あたり最大離陸重量に応じて請求される料金
停留料
航空会社負担
一定時間以上空港内で停留する航空機に請求される料金
空港によって時間と最大離陸重量に応じて加算される
手荷物取扱施設使用料
航空会社負担
到着時のバゲージクレームのコンベヤー使用に対して課される料金
搭乗橋使用料
航空会社負担
ターミナルビルから航空機に搭乗する際に使用するボーディングブリッジの使用料金
旅客取扱施設利用料
旅客負担
ターミナルビルを使用する旅客に対して課される料金
空港税
旅客負担
国や空港毎に、様々な名称で空港の利用者から租税が徴収される税金

日本の航空会社のコストに占める空港使用料(着陸料、停留料等)の割合は10%程度であるといわれています。

着陸料

着陸料とはその名の通り、航空機が空港に着陸するために必要な料金となります。

着陸毎に総重量に応じて請求され、時間帯や機体の騒音レベルによって加算減算が行われます。

着陸料は滑走路・誘導路・駐機場など空港の施設のメンテナンスや拡張工事に利用されます。

以下が主要な国際空港のB787-8の着陸料の一覧です。

羽田空港にB787-8が1回着陸するたびに約60万円請求されます。

逆にシドニー国際空港は0円です!

上記15空港の平均は25万円なので羽田空港は2倍以上高いということになります。

MEMO
ちなみに成田空港にA380が着陸すると881,950円請求されます…
羽田空港の新飛行ルート 2010年に6,730億円かけて完成した100年持つD滑走路はもう使わない?!

停留料

停留料は機体を次の離陸まで止めている時間発生する車で言う駐車料金のようなものです。

3時間未満の料金、3時間以上の料金、24時間毎の料金など空港によって決められています。

成田空港の停留料の例

6時間未満の場合

  • 小型機
    A320:14,800円
    B737:15,800円
  • 中型機
    A330:46,000円
    B787:42,000円
  • 大型機
    B777-200:55,200円
    B747-8:89,600円
  • 超大型機
    A380:113,800円

このように重さによって変わってくるため大型機ほど高額になり特にA380などは11万円を超えます。

手荷物取扱施設使用料(BHS)

手荷物取扱施設使用料とは到着時に預けた手荷物が手荷物受取所で受け取るためのベルトコンベアなどの使用料になります。

基本的に座席数や搭乗員数などによって細かく決められています。

複数起動時にベルトコンベアを使用する場合などは追加料金も発生します。

成田空港の手荷物取扱施設使用料一覧

搭乗橋使用料(PBB)

搭乗橋使用料は空港ターミナルビルから航空機に搭乗するときに使用するボーディングブリッジの使用料になります。

基本的に出発時と到着時にも利用するため両方請求されます。

成田空港の搭乗橋使用料

A380のように2階建ての超大型機等の場合は金額が高くなります。

ここまでが航空会社が支払う料金になります。

MEMO
ちなみにA380の場合、ここまでの合計金額だけで110万円になります(^_^;)
ANAが成田-ホノルル線に投入するエアバスA380ってどんな機体?

ここからは航空会社ではなく旅客が負担する費用になります。

旅客取扱施設利用料(PFC)

これは空港の整備に充てられる費用となり、航空会社が旅客から徴収して管理会社に収めています。

国際線は高額になりますが国内線の場合は以下のように割と安い料金となっています。

国内線
発着空港
大人
(満12歳以上)
小人
(満3歳~満12歳未満)
羽田290円140円
成田440円220円
中部310円150円
北九州100円50円
新千歳270円140円
伊丹260円130円
関西430円220円
仙台230円120円
那覇120円60円

満3歳未満であっても座席を保有(航空券を購入)する場合は、小人料金を適用します。

空港税

空港施設の維持管理するための名目で徴収される税金のことですが、実際には税金でなくてもまとめて以下のような名称で呼ばれています。

  • 空港整備料
  • 入国審査料
  • 税関審査料
  • 通行税
  • 出国税
  • 外国人入国税

2019年1月7日から日本国内から海外へ出発する際に新たに国際観光旅客税はここに分類されます。

そのため日本出国時に一律1,000円徴収されることになりました。

以上が空港使用料の一般的な内訳になります。

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