ANA 操縦席の窓にヒビが入り那覇空港に目的地を変更

8月28日午前3時10分ごろ、ANAの羽田発シンガポール行きの843便で、飛行中に操縦席の窓にヒビが入ったため石垣島上空付近で引き返し、午前4時半前に、那覇空港に着陸しました。
機体はB787で、複数のガラスの層のうち機長席側の一番外のガラスにヒビが入ったということです。乗客らにけが人はいませんでした。

操縦席のガラスとは?

高速で飛ぶ航空機は、風圧衝撃波などに耐え、遠くまで正確に見える必要があります。一般的な車のフロントガラスなどと違って「化学強化ガラス」などが使用されています。
条件の厳しい航空機には、化学強化ガラスと特殊アクリルを何層にも重ねた多重構造のガラスが使われています。
また上空は非常に気温が低いため、くもりや氷結を防止するため、ガラスに電気を通せるようになっています。

化学強化ガラスの製造法は?

化学強化ガラスは、ガラスをアルカリ金属塩の液に浸し、ガラスの中のイオンと液の中のイオンに交換反応を起こさせることで、ガラス表面に圧縮応力を与える方法で作られています。この製法をイオン交換法といいます。
イオン交換法はガラスを薄くしても強度があり光学的なひずみがありません。
ひずみがないとはゆがんで見えることがないという意味です。
一般的にはアクリルとガラスの5層構造になっています。
これにより上空の最低気温から地上の最高気温-80℃~40℃にも対応できるガラスが生まれます。

化学強化ガラスの値段は?

一般的な自動車のフロントガラスよりも生産数量が少なく、工程も複雑で時間がかかるため1枚で約300万円以上するものもあります。
ガラス本体の価格も高いですが、ガラスを外す手間・ガラスの接着剤が乾く時間などそれ以外にも時間とお金がかかります。

所感

今回の原因が何かにあたったことが原因か不明ですが、これだけ多く飛んていいるB787なので本質的に問題がないことを祈ります。しかし最近はB787のトラブルが多いのが若干気になりますね。
またANAは今年に入って

  1. 国内線予約システムの障害
  2. 預け荷物を搭載せずに飛行
  3. B787のエンジン内のタービンブレードの破損

ANA自体もトラブルが多い気がします。すべてANAが100%悪いとは言えませんが、大きな事故なく運行してもらいたいですね。

この便に搭乗されていた方(2016/09/06追記)

「ANA マイルのある暮らし」というブログを書かれているid:anamilelife さんがその時の記事を書かれています。
anamilelife.hatenadiary.jp
コックピットのガラスにヒビが入る事自体かなり珍しいことなので貴重な体験ですが、到着の遅れなど大変だったと思います。

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