ANAが2019年春に総2階建てのエアバスA380を成田-ホノルル線に投入する予定です。
残念がら羽田便は今回見送られました。そもそもA380とはどのような機体なのでしょうか。
A380-800型機の仕様
乗員 | 2名(操縦士) |
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定員 | 3クラス 525名、モノクラス 853名 |
ペイロード | 66,400 kg |
全長 | 73 m |
全高 | 24.1 m |
翼幅 | 79.8 m |
翼面積 | 845 m2 |
運用時重量 | 276,800 kg |
最大離陸重量 | 560,000 kg |
動力 | トレント 970 または GP 7270、×4 |
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最大速度 | マッハ 0.89 (約1,090 km/h) |
巡航速度 | マッハ 0.85 (約1,041 km/h) |
航続距離 | 15,200 km |
巡航高度 | 13,100 m |
離陸滑走距離 | トレント 970: 2,990 m/GP 7270: 3,030 m |
着陸滑走距離 | 2,100 m |
A380の事故・事件
2009年8月21日 シンガポール航空のA380
香港国際空港を離陸直前に故障のため、17時間後に再離陸。
2009年9月29日 シンガポール航空のA380
パリのシャルル・ド・ゴール国際空港を離陸2時間45分後にエンジン(Trent 900)故障のため、パリに引き返す。
2010年11月4日 カンタス航空32便エンジン爆発事故
シンガポールからシドニーへ向けて飛行中、左翼内側の第2エンジンが一部破損しシンガポール・チャンギ国際空港に緊急着陸。
乗客433名・乗員26名の計459名に死傷者なし。地上で2名の軽傷者。この時、燃料系統とブレーキ系統それぞれの約半分が故障し、空中で燃料を投棄できず、ブレーキも不十分な状態に陥っていました。原因はエンジンの製造時に空いた小さな穴からオイルが漏れて爆発炎上したためでした。この事故を受け、同社が当時運航している事故機を含めた6機全てが一時的に運航を停止。
また、シンガポール航空も保有する11機全ての運航を見合わせ。エンジンを供給するロールスロイス社とエアバス社の要請によるもの。翌11月5日、シンガポール航空の保有分11機に関しては、全機が安全であることが確認され、同社分に関しては運航が再開。
2010年11月5日 ルフトハンザ・ドイツ航空
上記の事故を受けて同日の成田発フランクフルト行の便をエンジン検査のため欠航。
カンタス航空の保有分に関しては、安全点検を受け問題の有無を確認した。同年11月27日から運航再開。
2011年4月11日 エールフランス7便の接触事故
ジョン・F・ケネディ国際空港にて滑走路へタクシング中に左側主翼端が、駐機場にいたコムエアー6293便(ボンバルディアCRJ-700・機体記号N641CA)の垂直尾翼に接触。A380のウイングチップとCRJ-700の垂直尾翼が破損。
2014年7月2日 カンタス航空94便
ロサンゼルス国際空港発メルボルン空港行で、離陸から約1時間後、水を流す配管から漏れ出した水により2階部分で大量の水漏れが発生、1階にも降り注ぐ事態となり、出発地のロサンゼルス国際空港に引き返す。
2014年12月5日 大韓航空ナッツ・リターン事件
離陸のため滑走路に向かい始めたときファーストクラスの乗客として乗っていた同社副社長が、客室乗務員に対してクレームをつけて旅客機を搭乗ゲートに引き返させた上で機内サービス責任者を86便から降ろし、運航を遅延させた出来事。これは有名なナッツ・リターン事件。
A380が生み出す乱気流
A380には飛行場等級「コードF」に対応した空港が必要
飛行場等級は滑走路や誘導路など基本施設の整備について細かな基準で決まっています。それまではボーイング747-400型機などの大型ジェット機を想定した「コードE」が最高ランクでした。
しかしA380の登場で「コードF」が追加されました。A380は総2階建てという特性から、航空機に搭乗する際の搭乗橋の仕様が大きな課題となります。
ゲートラウンジの拡張や駐機中の航空機に電気や空調を供給する地上動力施設(GPU)の能力アップなどが必要となります。
成田空港:A380対応可能なスポット
成田空港では2013年時点で第1ターミナルビルの15番・26番・45番・46番、第2ターミナルビルの66番・67番・68番がA380に対応しています。
羽田空港:A380対応可能なスポット
第3ターミナルの107番スポットがA380に対応しています。
関西国際空港:A380対応可能なスポット
2014年10月24日より関西国際空港第1ターミナル北ウイング11番ゲートにアッパーデッキ対応の搭乗橋を設置した。また、南ウイング31番ゲートに同年12月末までに設置予定。
その他運用可能な空港
2014年11月時点で中部国際空港、新千歳空港(国際線ターミナルのみ)が運用可能空港となっています。
羽田空港でA380の採用が見送られた理由
実は羽田空港にはA380対応可能スポットがあるものの乗り入れたことはありません。
それは以下のような理由があります。
- その大きな期待から後続機に影響が出る乱気流に関する規制があること
- D滑走路へ向かう、誘導路の重量制限
せっかく作ったD滑走路・・・100年持つD滑走路。。。もっと活用してほしいですね。
羽田空港の新飛行ルート 2010年に6,730億円かけて完成した100年持つD滑走路はもう使わない?!